鍛造製法について

ジュエリー制作には、
大きく分けて、二つの方法がございます。鋳造(ちゅうぞう)製法と鍛造(たんぞう)製法です。

 鋳造製法は、一般的にキャストと呼ばれます。
あらかじめ用意した指輪の型に、溶かした金属を流し込むことで、整形をします。
量産品の多くは、この鋳造製法で作られています。

鍛造製法は、溶かして固めた金属を金槌で鍛えながら叩き延ばし、ヤスリで削りだすことで、指輪を整形していきます。

溶かして固めた金属には、無数の小さな空洞(巣)があります。その巣を叩きしめることで、
地金を均一な密度にし、強固なジュエリーとなります。

大量生産には不向きですが、職人がひとつひとつ作るため、すべてが“一点モノ”となります。

当店では、この鍛造製法により、
ジュエリー制作をおこなっております。

それぞれの職人が、すべての工程を手仕事でひとつひとつ丹精込めて制作しております。
 ぜひ一度、お手にとってみてください。

鍛造製法での製作過程

指輪を例に当店の鍛造技法について
簡単にご説明いたします。

STEP1

地金を溶かす

素材となる金属を、バーナーで溶かします。
完全に溶けたら、地金をアケ型に注ぎます。
金属が固まったら、アケ型から地金を取り出し、水で冷やします。

Q
作業画像
溶かし前
溶かし中
型流し後
STEP2

地金を叩いて鍛える

地金を、金槌で叩きながら、指輪のベースとなるサイズの角棒に成形します。
金槌で叩くことで、溶解時に含まれてしまう巣を取り除き、密度を高め、均質な地金にします。
成形しながら、より強固な地金に鍛え上げる重要な作業です。

STEP3

リングの形にする

成形した角棒を必要な長さに切り、円棒と木槌を用いて、リング状に曲げます。
角棒の両端が隙間なくピッタリと合うように、糸ノコギリで調整します。
隙間があると、「ろう付け」がうまくできないため、繊細な作業が求められます。

STEP4

ろう付け

ろう材を用いて、金属を接合することを「ろう付け」といいます。ジュエリー制作には必須の技術です。

調整した接合部にフラックス、ロウ材を適量つけ、ロウ材が溶ける温度まで熱を加えます。
毛細管現象により溶けたロウ材が隙間に流れ込みます。隙間に流れ込んだロウ材が冷えて固まることで、接合完了です。
円棒でリングの形を整え、次の工程に進みます。

STEP5

ヤスリで整形

リング状になった地金をヤスリで削り出します。

この工程では、
指輪のデザインはもちろんのこと、
指輪のつけ心地、着け外しのしやすさが、削り方ひとつで大きく変わってきます。
お客様が着けていたくなる指輪を目指し、日々ヤスリを動かしています。

STEP6

磨いて完成

ヤスリで成形した指輪を
ピカピカに仕上げて完了です。

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